状況が裂いた部屋

旅行と読書と生活

客観なんて無理

http://jp.vice.com/others/who-are-you-sekiguchi

VICEというメディアがある。様々なテーマのネット記事が手軽に読めていい。その中でも「Who Are You」という企画がある。一般の方から公募し、選ばれた方にゆるいインタビューをするという趣旨だ。選んでいる基準はわからないけれど、たぶんなんとなく面白そうな人を本当に適当に選んでるんだと思う。内容としては現在の仕事の話、趣味の話、どこで生まれどう育ってきたかの経歴、初恋の人の話、今後やりたいこと、などなど。特にこれと決めたテーマがあるわけでもないので質問は思いつくままという感じだし、インタビューというより普通に会話してる雰囲気がよい。2ページの記事を読み終えた頃にはその人の人となりをなんとなくわかった気になる。

   自分がこれ出たらどんな感じになるのかな… と想像してみたんだけど、客観的に読んで面白い記事になる気がしない。第一インタビュアーさんが興味を持って深く突っ込んでみようという要素が何もないのではないか… と少し悲しくなった。

居場所の話

   今現在、自分にはいくつの「居場所」があるのかと考える。この場合の指す「居場所」とは、自分の帰属というか「肩書き」であったり、所属しているグループのことだ。誰かがこのグループに電話をかけて、「そちらに〇〇(僕)は居ますか?」と言ったときにそこの誰かが「ああ、〇〇ならウチのものです」とか言ってくれる、つまり僕の存在を認めてくれている場所。

まずは家族だろう。
次に職場。
あと、例えとは離れているが恋人もそうかも
友人のグループで2つくらい。

この中で、心から信頼できる人間しかおらず、なんでも相談できるというグループが無い。

ネットカフェの個室

・最近一番落ち着く場所だ。

・自分の中での夏が始まったなー、と感じる瞬間は多分金曜ロードショーで毎年7月ころ放送されるアニメ映画版「時をかける少女」を観ること、深夜家を抜け出し自転車でコンビニへ行きカップのシャーベットアイスを買ってくること、ひとりで海へ出かけてぶらぶらして特に何もせず帰ること、などがある(今年はどれもしなかった。時かけは放送がなかった)。そして夏の終わりと言えば、隣町の花火大会の音を聞きながらアジカンのマイワールドを聞くことと、友達と手持ち花火でひとしきりはしゃいだ後最後に線香花火をすることだろう。今日は夜がやたら涼しく、夏が終わったというセンチメンタルな気分になってしまった。もう少ししたらコンビニに行くけど、普通にコーヒーと煙草を買うと思う

・今年度の目標の一つに「素直になる」があったんだけど、最近を振り返るとしょうもない嘘をつきまくっていて笑える。その場しのぎの小さい嘘のつき重ねで結果的に自分の首を絞めてる、って事態が多すぎる。

・スーパー自己嫌悪モードに突入すると「もう自分辞めたいな、いっそ生まれ変わるか10歳くらいからやり直したいな」と毎回思うんだけど、その後「これまでと同じ苦労をもう一度繰り返す、若しくはもっと酷い人生があるのかもしれない、そんなハイリスクなこと出来ないな」と思い直してやり直したい欲求が消え、ビールでも飲むか…となる、その繰り返し

・先日受けた職場の研修で「2人組でペアになり一方が1分間相手に話をする。一回目は聞き手は何のリアクションもしてはいけない、目も合わせず完全に無視する。2回目話し手は同じ話をし、聞き手は全力で相槌を打ちリアクションをする」という作業があった。人材育成会社から派遣されてきた講師の意図としては「聞き手の態度としてのリアクションの大切さ」とかを説きたかったんだと思う。僕はこのワークで「話し手」になったんだけど、講師の「じゃあ話すテーマは自分が一晩中でも喋り倒せる一番語れる自信のあるものにしましょう」という指示で完全に混乱してしまって「俺にとって一番語れるものは何だ…スターウォーズネタか?ギャラガー兄弟の話か?恩田陸の小説?たまごかけご飯についてかはたまた宮崎あおいについてか、いやペアワークの相手はおしゃべりでちょっと可愛い同期の女子だ、「さっきのワークであいつキモくて…」とか同期女子グループで言われたらもう職場にいけない)とかを10秒くらいの間にごちゃごちゃ考えた挙句、小学生時代に好きだったNBA選手の話を割と無難に話し、2回目の終わりに「へーバスケやってたんだねー」とというどうでもよさそうなリアクションを貰って何とも微妙な感じで終わった。とてもモヤモヤしたって話。

・同期の話。仲の良い男の同期4人で給料日に焼肉を食う会があり、他にも定期的に飲んだりダーツをするゆるいグループにたまに顔を出していてそれ以外の同期と絡みは特にない。研修で同時入社50人と顔を合わせて久々にみんなで飲んだ。


好きな枡野浩一の短歌5選

 
   学生のあなたの夏を聞きながら
   働く日々がわが夏休み
 
 
さっぱりした感じが好きだ。年下の彼女が欲しくなる…コメントの文章がよかった。「映画館へ、海へ、朝顔市へと飛びまわる彼女の話に、笑ったり感心したりしながら、頭の中を真っ白にして働いた。彼女の長い長い夏休みを思うことが、休暇をとれない僕の夏休みだ、と思っていた。」
 
 
 
 
   いつの日か疎遠になろう俺たちも
 小夜楢岳の人生の中
 
 
「さよならだけの人生の中」と読む(多分)。
一番好きかもしれない。
 
 
 
 
    無理してる自分の無理も自分だと
 思う自分も無理する自分
 
 
小説「ショートソング」の中で、この句に魅せられて短歌の世界に入ったハタチの沖縄美女が主人公の片方(モデルは明らかに枡野浩一本人)に会いに来て、その日のうちにセックスする、という話がある。「ショートソング」についてはいつかしっかり感想を書きたい。とにかく読んでほしい。漫画版もある。
 
 
 
 
   こんなにもふざけたきょうがある以上
   どんなあすでもありうるだろう
 
 
仕事がボロボロで毎日日付けが変わる頃帰宅していた頃、通勤のバスでこの句を読み、なんとか乗り切ろうという気になれた。
 
 
 
 
   だれからも愛されないということの
 自由気ままを誇りつつ咲け
 
 
短歌は短いだけあって最初目にした時に瞬間的に「よい!」となるか否かの判断ができてしまうのが面白いと思う。もちろん何度も読み返してじわじわ来るのもあるんだけど。(個人的に「スルメ短歌」って呼んでる)これは見た瞬間スッと入ってきて、今でも最高にクールだと思う。しかし単行本の「淋しいのはお前だけじゃな」に「恋してるからって急に いい人になっちゃ駄目だよ 物書きでしょう?」という短歌があり、これは昔好きだった人に「最近、書くものに毒がなくなったんじゃない?」と言われて詠んだらしい。
 
 
 
2006年、集英社文庫「ショートソング」
2008年、集英社文庫「淋しいのはお前だけじゃな」(どちらも著:枡野浩一
より引用
 
 
2017.3.25 追記
そういえばこれを忘れていた、漫画版「ショートソング」のカバーにあるやつ。見つけたのは奇しくもバンドを自分の都合で勝手に抜け、就活準備を始めた頃、スーツ姿のときに寄ったブックオフだった。人生こういうことがあるからなんだかなあ、と思う。あのとき抜けたことには特に後悔はないのだけれど。
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Oasis「Digsy's Dinner」


oasis digsy's dinner español subtitulos

 

What a life it would be

一体どんな人生になるんだろう?

 

If you could come to mine for tea

紅茶でも飲みに来ないか

 

I'll pick you up at half past three

3時半に迎えに行くよ

 

We'll have lasagne

ラザニアでも食べよう

 

I'll treat you like a Queen

君を女王様みたいに扱うよ

 

I'll give you strawberries and cream

ストロベリー味のクリームもあげるよ

 

Then your friends will all go green

君の友達も芝生に来るならさ

 

For my lasagne

ラザニアを食いに

 

These could be the best days of our lives

これって人生でも最高に楽しい日々なんじゃないか?

 

But I don't think we've been living very wise Oh no, no

でも俺たちって賢いようには見えないよな

やりたいことが見つからない

   大学3年生になった春先、少し真面目に将来のことを考えた時期があった。就活を翌年に控え、この先何を目指そうか、どんな人生にしようかと悩みながら毎日悶々と生きていた。大学生活は相変わらずぬるく楽しかったが、だんだんと終わりが見えてきて寂しさを感じ始めた頃だ。周りを見渡せば教師になると言って一心不乱に教員採用試験の勉強をする連中やどうしても入りたい業界があると言ってインターンシップに応募する連中がいた。いま冷静に振り返れば、そうやって真面目に行動していた奴は全体の2割くらいしかいなかったように思える。しかしあの時期そういう人間は嫌でも目に入るし、「みんな頑張ってるのに自分ときたら…」と焦らされた。

 
    結局僕は6月頃から公務員試験の対策講座というものを受け始め、翌年の8月になんとか地元の役所から内定が出て就職し今に至る。なぜ公務員になる道を選んだのか、というと多分理由はこの2つだ。
 
・仕事として特にやりたいことが見つからなかったので、福利厚生がしっかりしていて市民のためという大義名分のある職に就いておけばやりがいがありそうだから
 
・趣味に人生の主軸を置き、時間とお金を注ぎ込みたいので、休みがとりやすく出世も年功序列で給料もそこそこ安定してる職に就いておきたいから
 
    我ながら世の中舐め切っててひどいな...こんな人間が公務員やってんのかよ、最悪だな…と思う。高い志など一切なくただ公務員制度の旨みに乗りたいだけであるというのが本音である。22で大学を出たら働かなくてはならない、という風潮に取り敢えず乗っておかないと、収入がないと食っていけないし、自立しなきゃだし奨学金の返済もあるし...出来れば働きたくないのにこんな後ろ向きな理由での就活だった。もちろんこんな状態なのでモチベーションは限りなく低く、面接ではこんな人間だとばれないようにうまいこと演技して嘘八百を並べ立てて合格した。
 過程はどうあれ現在公務員として仕事をして4ヶ月目、今一番実感しているのは働き出してからの時間の流れるスピードが速すぎることだ。「実感している」って言い方は間違いかもしれない。気が付いたら夏になっており、とっくに季節が変わったことについていけてない自分がいる。一日中職場でデスクワークしていると、本当に一瞬で時間が過ぎる。先月後半から週の半分は出張するような日々が始まり、ようやく運転中の車窓の風景で夏だと気づかされたところだ。
 なぜこんなに時間に取り残されているのかというと、5月後半~7月頭にかけてのひどい忙しさで精神をやられていたということもあるけれど(今振り返ると鬱病の症状にあてはまることが多すぎて恐ろしい)、仕事帰りのバスの中や休日の散歩中など仕事以外でずっと、いろいろと考え事をしていたせいかもしれない。考え事の中身とは、この先何を目指そうか、どんな人生にしようかということで、つまり大学3年生の頃の悩みに戻ってきてしまった。
 
 やりたいことが見つからない。先に挙げたように自分は趣味に生きようと思って楽な仕事に就いたはずなのに、仕事は全然楽じゃないし、自分の趣味ってなんだっけ....そもそも何のために生きてるのかわからなくなってきた...という面倒くさいモードに入ってしまった。
    何のために生きるのか、なんて哲学的な話はこんなところで考えて気軽に答えなんて出る訳がなく、むしろ出たら困る話で、考えるだけ無駄とは言わないがいま考えるべきはそういうことではない。つまるところ自分は「生きがい」がほしいんだと思う。