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状況が裂いた部屋

音楽と映画と日常について

やりたいことが見つからない

   大学3年生になった春先、少し真面目に将来のことを考えた時期があった。就活を翌年に控え、この先何を目指そうか、どんな人生にしようかと悩みながら毎日悶々と生きていた。大学生活は相変わらずぬるく楽しかったが、だんだんと終わりが見えてきて寂しさを感じ始めた頃だ。周りを見渡せば教師になると言って一心不乱に教員採用試験の勉強をする連中やどうしても入りたい業界があると言ってインターンシップに応募する連中がいた。いま冷静に振り返れば、そうやって真面目に行動していた奴は全体の2割くらいしかいなかったように思える。しかしあの時期そういう人間は嫌でも目に入るし、「みんな頑張ってるのに自分ときたら…」と焦らされた。

 
    結局僕は6月頃から公務員試験の対策講座というものを受け始め、翌年の8月になんとか地元の役所から内定が出て就職し今に至る。なぜ公務員になる道を選んだのか、というと多分理由はこの2つだ。
 
・仕事として特にやりたいことが見つからなかったので、福利厚生がしっかりしていて市民のためという大義名分のある職に就いておけばやりがいがありそうだから
 
・趣味に人生の主軸を置き、時間とお金を注ぎ込みたいので、休みがとりやすく出世も年功序列で給料もそこそこ安定してる職に就いておきたいから
 
    我ながら世の中舐め切っててひどいな...こんな人間が公務員やってんのかよ、最悪だな…と思う。高い志など一切なくただ公務員制度の旨みに乗りたいだけであるというのが本音である。22で大学を出たら働かなくてはならない、という風潮に取り敢えず乗っておかないと、収入がないと食っていけないし、自立しなきゃだし奨学金の返済もあるし...出来れば働きたくないのにこんな後ろ向きな理由での就活だった。もちろんこんな状態なのでモチベーションは限りなく低く、面接ではこんな人間だとばれないようにうまいこと演技して嘘八百を並べ立てて合格した。
 過程はどうあれ現在公務員として仕事をして4ヶ月目、今一番実感しているのは働き出してからの時間の流れるスピードが速すぎることだ。「実感している」って言い方は間違いかもしれない。気が付いたら夏になっており、とっくに季節が変わったことについていけてない自分がいる。一日中職場でデスクワークしていると、本当に一瞬で時間が過ぎる。先月後半から週の半分は出張するような日々が始まり、ようやく運転中の車窓の風景で夏だと気づかされたところだ。
 なぜこんなに時間に取り残されているのかというと、5月後半~7月頭にかけてのひどい忙しさで精神をやられていたということもあるけれど(今振り返ると鬱病の症状にあてはまることが多すぎて恐ろしい)、仕事帰りのバスの中や休日の散歩中など仕事以外でずっと、いろいろと考え事をしていたせいかもしれない。考え事の中身とは、この先何を目指そうか、どんな人生にしようかということで、つまり大学3年生の頃の悩みに戻ってきてしまった。
 
 やりたいことが見つからない。先に挙げたように自分は趣味に生きようと思って楽な仕事に就いたはずなのに、仕事は全然楽じゃないし、自分の趣味ってなんだっけ....そもそも何のために生きてるのかわからなくなってきた...という面倒くさいモードに入ってしまった。
    何のために生きるのか、なんて哲学的な話はこんなところで考えて気軽に答えなんて出る訳がなく、むしろ出たら困る話で、考えるだけ無駄とは言わないがいま考えるべきはそういうことではない。つまるところ自分は「生きがい」がほしいんだと思う。