状況が裂いた部屋

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日本版ボーナストラックの功罪

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   高校2年の夏に「Today」のPVを見て以来、ずっと自分の中でオールタイム・ベストバンドであるSmashing Pumpkins、そのTodayが収録されていて、バンドがブレイクしたきっかけとなったアルバムが2nd「siamese dream」。

   全13曲、トータルタイム62分の名盤だが、僕が高校生の頃近所のツタヤで借りたものは14曲目があった。アップテンポの轟音曲「Pissant」である。大学生の頃、相変わらずこのアルバムをよく聴いていた頃に考えていたのは「最後の曲、蛇足すぎでは…?」ということだった。このアルバムの一番好きなのは後半にこれでもかとばかりにメロウな曲が並ぶ流れだ。ジェームス・イハの作曲である「soma」「mayonaise」、リフが美しいミニマムな曲(Todayとこの曲のリフだけ弾ける)「sweet sweet」、そして最もテンポが遅く、控えめで耽美なストリングが綺麗な名曲「Luna」。これらが「silverfuck」「Geek USA」(曲名から最高)といった強烈なギターリフのあるアップテンポな曲と交互に聴かされるバランスが良い。しかしLunaがかなり壮大な曲なので、これで終わるのがどうしてもベストな気がする。ボーナストラックって誰が決めて入れてるんだろうか。

 

   みんな大好きRadioheadの2nd「the bends」の「killer cars」も日本版ボーナストラックだ。しかしこっちは蛇足な印象は受けない。むしろノリが良いのに壮大さもあるこの曲はアルバムの最後にぴったりで、普通に通常盤に入れろよ、と思う。

 

   Weezerの通称「Red Album」の最後にはまさかの日本語版「メリクリ」が収録されている。リバース・クオモの日本愛と遊び心が炸裂した結果だと思うけど、これがなかなかに良い。いかにも外国人が頑張って日本の歌を歌ってみました感があるが、BoAはそもそも韓国の方だけど、この曲は誰でも知ってる「日本の歌」と認知されてると思うので問題ない。リバースの日本語では、2009年のフジロックでparfect situationを演奏する前にMCで「フジサン、ニイガタサン…」と新潟という山があると勘違いしてるあたりが可愛すぎる。