状況が裂いた部屋

旅行と読書と生活

東北旅行記①

f:id:ngcmw93:20210815235419j:image
東北地方を車で旅行した記録。

主に秋田と岩手。


○ 1日目

カーフェリー乗船、新潟港出発f:id:ngcmw93:20210823224504j:image

f:id:ngcmw93:20210815233642j:image22時半、新潟港発の新日本海フェリーに乗船。

気温は25℃で天候はくもり。数日前まで35℃を超える猛暑だったため、結構涼しく感じる。

21時半頃に受付をしたら車乗り入れの客では一番最後だった。船は「らいらっく」。秋田に寄港するほか、苫小牧まで行くらしい。

船に車を積み、メーターをゼロにした。

f:id:ngcmw93:20210815233703j:image船内は空調が結構強くて寒い。隣の客室は全員自衛隊だった。台風が接近してるせいで結構揺れる。

f:id:ngcmw93:20210825214850j:image少し前から地域の伝承とか風習に興味が出て、民俗学についての本を読んでいる。今回は旅行に行くことを決めてから、せっかく遠野に行くならと図書館から遠野物語の本を借りてきた。出発までに読み切れず、フェリーに持ち込んで読んだ。「図説 遠野物語の世界」は写真が多く特に面白く読める。河童伝説やマヨイガ、座敷童子など。

蛍の光が流れる。二段ベッドの下に入り寝た。


○ 2日目

秋田上陸、男鹿半島半周、盛岡へ

船内のアナウンスで目が覚める。窓から見るともう岸が見えている。起き抜けの煙草を吸っていると、喫煙所の窓越しに結構な数の風車が見えた。

5:05秋田港着。車の乗り入れが一番最後だったため、逆順で出庫が一番最初になってしまった。少し緊張する。県道を走り、海沿いを北上。

男鹿にある道の駅「オガーレ」で少し休憩する。道の駅は思い切り歯磨きをしてても変な目で見られない貴重な公共の場所だ。

f:id:ngcmw93:20210815233947j:image

f:id:ngcmw93:20210815234002j:image男鹿半島の先端、入道崎に着く。日本海は荒れていた。おみやげ屋からなまはげのかけ声が延々と響いている。

北緯40度のモニュメントがある。この土地で取れた安山岩で作られたらしい。結構かっこいいデザインだ。北京とかと同じ緯度。

f:id:ngcmw93:20210815234124j:image

f:id:ngcmw93:20210815234141j:image入道崎には昔UFOが来たらしく、その時撮影したビデオを見せてくれると書いてあった。胡散臭さ、個室ビデオ店みたいな看板、そしてUFOラーメン(海鮮が乗ったラーメンらしい)なんて作っちゃってるあたり、百点満点だ!と叫びたいほど嬉しかった。旅先でこういうのに遭遇するのが一番楽しい。

しかしUFO推しのみさき会館はこの時間閉まっていたため、隣のお土産屋で海鮮丼を食べた。

 

f:id:ngcmw93:20210815235126j:image

f:id:ngcmw93:20210815235612j:image

f:id:ngcmw93:20210816080332j:image10時、寒風山に到着。男鹿半島の全てを見渡せる。この旅行でのベスト景勝スポットだった。

まずは西側に昔の噴火口が見える。緑に覆われていい感じだ。この山の隣にも別の火口がある。半島の先に日本海が広がっているところまで見ることができる。

 

f:id:ngcmw93:20210816174554j:image
f:id:ngcmw93:20210816174551j:image

f:id:ngcmw93:20210816000045j:image

f:id:ngcmw93:20210817180554j:imageそして東側には大潟村の広大な稲作地帯が広がっている。この旅行の目的のひとつ、「最大の干拓地、大潟を見る」が達成された。琵琶湖に次いで日本で2番目に大きな湖だった八郎潟の8割を20年かけて干拓し、馬鹿でかい農地と村が作られたのが昭和39年。50年以上昔の話だ。国内で一番大きな人工の土地。そのほとんどが田んぼというのだから、当時はどれだけ農地が必要だったかわかる。ジオパークに認定されている男鹿半島・大潟を紹介する展示も面白かった。地理と歴史の話はいつ聞いても面白い。

4階建ての寒風山回転展望台に登る。展望室は13分で一周するようになっている。時計回りに回転しながら、ぼんやりと景色を眺めて、なんだか満たされた気持ちになった。

f:id:ngcmw93:20210816080653p:imageここから盛岡市を目指してひたすら東へ移動。

途中の国道沿いにパラソルを差して座るおばあさんを見つけ、ババヘラアイスだ!と嬉しくなる。


地方都市に住んでいて少しだけ得するところとして、高層ビルが立ち並ぶ大都会へ行ったときと、人の居ないド田舎に来たときの両方で非日常を感じられる点がある。田舎もたまに来る分にはいいなあ、東北におばあちゃんの家とかあって欲しかったな、と思う。それから国道46号をひたすら東へ移動しつつ、ずっと停滞している直近2年間くらいの自分の人生について考えていた。


ついに盛岡に着き、ホテルにチェックインする。この日の走行距離は258km。車を停めたのが「金田一駐車場」という場所で金田一京助と関係あるのか?と気になった。

6時台のニュースを観ていたら、「奥州市出身の大谷翔平選手がホームランを打ちました」と言っていてそうだ大谷の地元か、と思う。

f:id:ngcmw93:20210816175010j:image
f:id:ngcmw93:20210816175006j:imageじゃじゃ麺発祥の店、白龍(パイロン)に来た。5分ほど並んで入店。大盛を頼んだら結構な量が来た。麺を食べ終えたあと、「ちーたんたん」をやった。自分で皿に卵を割り入れて溶き、店の方に「ちーたんたんお願いします」と言ってスープを入れてもらう。皿に残った味噌だれを卵スープに溶かして食べる。こういうご当地料理を食べる時の作法とかやり方を知るのはめちゃくちゃ好きだ。一応事前に調べて行ったが、ちゃんと店の壁にも説明書きがあり親切だった。常連ぽい方は「ちーたん、味噌も」と一言で済ませててかっこいい。麺を食べる時に味噌を使い切っていた場合、味噌を追加してもらえる。大盛は710円、ちーたんたんは50円だった。

白龍は岩手城址公園と岩手県庁の中間にある。この周辺は喫茶店やカレー屋や飲み屋が密集していていい感じの雰囲気だった。櫻山横丁というらしい。

さらに盛岡の繁華街を歩く。駅から15分ほど歩いたところにかなりの飲食店などが密集している。新潟駅前より一回り大きいくらいの飲み屋街に感じた。飲み歩きたかったが情勢的に自粛し、酒を買い部屋で呑んだ。岩館電機のローカル感溢れるCMが良かった。社員っぽい人たちがオーケストラとして演奏するやつ。

 

翌日の予定を考えながら寝た。