文フリ東京39についての雑記
3回目の参加。今回もノンフィクションのカテゴリでブースを出した。販売数の目標には届かなかったが、13冊売れた。まあまあといったところか。
顔馴染みの方には会えたし、町屋良平先生と滝本竜彦先生のサインを貰えて会話もできた。NHKへようこその続刊を買えて嬉しい。他にはツイッター上でよく見る人たちのブースを覗いて実在するんだ…と思ったり、有名作家の前に並ぶ行列を見て流石だ…と圧倒されるなど。例年通りの楽しみ方はできたかな、という感じだ。
一方で、売れたのはZINEばかりで掌編集と短編を寄稿した雑誌は売れなかった。まあノンフィクションのゾーンに出ているので買う側も気付かなかっただろうし。もう少し工夫が必要だなと反省。普段あまり使わないXで告知したが特に広まらなかった。1万人を超える来場者が来ても、みんなまっすぐ目当てのブースに行くため、知らないブースで立ち止まることは少ないだろう。
編集の愉しみ
今回の新刊『谷口吉生をさがして』は旅行記的なテーマで書いた。自分が好きなこと、いま興味があることについて書き進めたら完成した本なので、制作の作業は割と楽しかった。
そして最近になっての気付き。自分は文章を書くことより、編集作業の方が遥かに好きだということ。
当然、執筆より編集の方が楽だ。頭を絞って文章を出力する作業よりも、編集作業の労力は少なく済む。自分は大して凝った編集をするわけではないし。今作にかけた時間でいえば、執筆95%に対して編集にかけたのは5%くらいだ。取材を除けば。それでも編集作業で感じた充実感は執筆と同じくらい大きかった。
構成を考えて、ポチポチと段組みをし、読みやすいように段落をつくる。校正をする。目次をつけて、奥付を書く。そんな編集作業がとても楽しい。長く続いた執筆の後のご褒美的な位置付けだ。
思うに、執筆中は完成形を上手くイメージできずにとにかくその章を書き上げることに精一杯で、一章を書き上げたときに少しの達成感を得られるだけだ。対して編集は本にするピース(各章の文章)が揃った状態で取り掛かるために全体を見渡せるし、余計な部分を削り、整えるだけで完成する。編集が完了する=本の完成なので達成感も大きい。やりがいを感じられる作業だ。
ZINE作りの面白さとは、企画、執筆、校正、編集、入稿、販売まで全てを個人でコントロールできることだ。そして自分の場合、編集のパートが一番好きだ。ようやくそれに気づけた。
編集が好きではあるが、かといって就職活動で出版業界とか編集の仕事って全く考えなかったし、いま時点でも仕事にしたいとは思えない。年に1,2回、自分の好きなことを好きなように書いて編集する程度だから楽しめている。人の文章に手を入れたり、アイデアを出すのは自分には向かないと思う。
これまで年1回東京開催の文フリに参加するサイクルを3回続けた訳だけれど、来年も参加するかはまだわからない。新刊が作れそうな余力があれば出たいし、一回様子を見るかもしれない。しばらくは旅行記の制作よりも小説に注力したい。次回出るなら小説カテゴリのブースかなと思っている。