状況が裂いた部屋

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大学生活を振り返る:④九州ひとり旅

 

またひとり旅行の話。大学4年の8月半ばに内定が出てようやく就活が終わった自分は、旅に出ようと思い立ち福岡空港行きの航空券を取った。どうしても行きたい場所があった訳ではなく、当時関西より西に行ったことがなかったため、西日本で行きたい街である長崎、福岡、広島のうち前2つをまとめて行ってしまおう、と考えたからだ。

当時、従兄弟が福岡に住んでいたため一泊くらい泊めてもらえるかも、という魂胆もあった。しかし連絡したところ「いま彼女と同棲してるから無理」と断られた。仕方なく旅先ではビジネスホテルやネットカフェに泊まって移動することに。

9月末、福岡空港に降り立ち旅程がスタート。

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f:id:ngcmw93:20240408221905j:image最初は太宰府天満宮九州国立博物館へ。展示はあまり覚えてないが、建物の外観が独特な形で美しかったのと、天満宮側から長いエスカレーターで接続しているのが素晴らしかった。その後みなとみらいの動く歩道や香港のエスカレーターを経験して気付くが、自分は長いエスカレーターが好きなようだ。空港とかもテンションが上がってしまう。

その日は福岡で一泊、翌日高速バスで長崎へ。

長崎の街は美しかった。海と山に囲まれて、少ない平地に市街地が広がり、路面電車が走っている。路面電車が何とも言えず良い。写真を撮りまくった。


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長崎には2泊した。原爆の資料館、平和公園、二十六聖人殉教跡、グラバー園眼鏡橋、出島など。長崎港から観光船にも乗った。世界遺産となった産業革命遺産も少し見えた気がする。グラバー園ではドラマ『赤い糸』のロケ地だったのでテンションが上がる。中学生だった頃夢中で見ていた思い出深いドラマだ。


f:id:ngcmw93:20240408221353j:image確か長崎滞在中、中日ドラゴンズ山本昌が現役引退を発表してスポーツ新聞はその話題で持ちきりだった。50歳まで現役、しかも一番負荷のかかる先発投手でずっと第一線で投げた最強の選手。自分は読売ジャイアンツのファンなので、2000年代半ばの中日が一番強かった頃によく投げていた山本を「身体がデカい好投手」として覚えていた。自分は就職が決まったが、50歳になる頃まで色々頑張れているだろうか…。山本のスクリューみたいな絶対的な特技は持って無いんだが…なんてことを考えた気がする。


長崎から福岡に戻る高速バスが、この旅最大のハイライトになった。

夕方、長崎市のバスターミナルから乗り、大村PAを通り過ぎたあたり。つまり左手、西側に大村湾が見えたとき、そのあまりの美しさに驚いた。

ちょうど夕日が沈むタイミングで、海の水面に日が反射して、眩しい光を放っていた。陸に囲まれた湾なので湖のように湖面は静かで、周囲の山に囲まれてその水面だけ輝く様は、神々しいほどに綺麗だった。不意打ちで飛び込んできた感動的な光景に、写真を撮ることも忘れて見入ってしまう。やがてバスは佐賀方面へ進み、景色が遠ざかってからも目に焼き付いて忘れられなかった。ずっと余韻に浸れるほどの感動。これだから旅はやめられない。


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f:id:ngcmw93:20240408221050j:imageそれから下関へ行き、自転車で海峡トンネルを渡ったりした。博多の屋台で隣に座った台湾人の男たちと飲んだりした。4泊5日の九州滞在、良い旅行だったと思う。