状況が裂いた部屋

旅行と読書と生活

2018-01-01から1年間の記事一覧

出発の年齢

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫) 作者: 沢木耕太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1994/03/30 メディア: 文庫 購入: 13人 クリック: 199回 この商品を含むブログ (310件) を見る 一体どれほどの人を放浪の旅へ誘ったかわからない、傑作旅行記『深夜…

物語の導入

ネトフリで久々に「マトリックス」を観た。1作目。当時は映像の凄さやアクションシーン、特に例の時間が圧縮されて弾丸避けるやつが話題になったと記憶してたけれど、改めて観た感想は「導入が良すぎる…」だった。完璧だと思う。 冒頭のトリニティーが国税局…

小旅行の夜

フロントのおじさんに鍵を渡し、外に出る。雨が降っていたので、フロントに戻り「傘って借りれますか?」と聞くと、少々お待ちください、と言われたので壁に貼られた地図を眺めながら待つと傘を持ってきてくれた。「他のお客様が使われたので少し少々濡れて…

禁断の多数決に首ったけ

禁断の多数決「トゥナイト、トゥナイト」輝くネオン、打ち上がる花火、アンニュイな感じの女の子、謎のコンテンポラリーダンス、怪しさと華やかさ、危険な香りと劇薬のような刺激、ミステリアスでエロティック、ロマンチックでどこかグロテスク、めちゃくち…

Silver Scooter 「Pumpkin Eyes」

Silver Scooter - Pumpkin Eyes When you walk awayTake my hand to stayThink of what you've been dying to, been dying to, been dying to sayPumpkin eyes you are a dreamLook away from everythingSeems like what you wanted, isn't what you wanted …

国道8号線を巡る冒険

国道8号線は、新潟県新潟市から京都府京都市へと続く国道である。一般国道の長さとしては日本第6位の距離であり、そのルートの起源は古くは北国街道にまで遡ることができる。北国街道といえば、とある地方大学の文系学生が「北陸新幹線のルート選定に関する…

映画『64(ロクヨン)』

「君は悪くない」。 15年間部屋に閉じ篭った男は、そう一言だけ書かれたメモを読んだ途端、声にならない叫びを上げて涙を流す。自分を責め続けたひとりの人間が救われて、止まっていた時間が動き出す瞬間だ。 横山秀夫の警察小説「64」の劇場版。前編と後編…

宮本輝『青が散る』

どうしてこんなにも哀しく、寂しいのだろう。テニスに打ち込む主人公を描いた青春小説だというのに、読後まず浮かぶのは「寂しい」という感想だ。これは初めて読んだ学生の頃から変わらない。むしろ読み返すほどにこの寂しさ、無常感は強まるばかりだ。 簡単…

きっかけについて

久々に旅行に出たり、友達と楽しく飲んだりしたおかげか、ここ数週間の過労で参ってしまっていた心が回復し、少しだけ前向きになれた。夏が近づき暖かくなったせいかもしれない。同時に創作へのモチベーションが上がってきたので、この機を逃さぬよう文章を…

ベトナム旅行記②

◯2日目 朝はのんびり起き、近くの店でまたフォーを食べる。さっぱりした味なのでさらっと食べられるし、何回食べても飽きない。一応こっちの主食なんだから飽きるわけないか。昨日より暑い気がするのでTシャツとタイで買ったステテコみたいなパンツという格…

ベトナム旅行記①

GWを利用してベトナムへ旅行に行った。日程は2018年5月3日〜7日。とは言っても3日の深夜に羽田を発ち、7日の早朝に成田へ帰ってきたので現地で過ごしたのは実質3日間。5月4日から6日の3日間の記録。 ◯1日目 1:25羽田発。機内は8割くらい席が埋まっていた。…

『スターウォーズ 最後のジェダイ』を観た

面白かった…。2Dの字幕版を2回、4DXの字幕版を1回観た。ようやく書いてもいい気がしてきたので文章を書く。 「ローグワン」が傑作と評され、一方で「フォースの覚醒」がいまひとつ評価されていない感じに納得してなかったけど(実は自分も「フォースの覚醒」…

一番強度の高いメディア

先日、映画「ブレードランナー2049」を観た。本当に美しい映画だった。大作のSF映画に期待されてそうな派手さはないけれど、圧倒的な映像美と「自分は何者なのか」という哲学的な問いを追求するストーリー、終始漂う物悲しい雰囲気、ラストの主人公の選択、…

大学3年の初夏

久しぶりにKensei Ogata「Her Paperback」を聴いていたら、大学3年のある時期の思い出がフラッシュバックしてきた。自分は感傷マゾの気があり、常に将来に希望が持てない後ろ向きな人間であるため、定期的に大学時代の楽しかった思い出に浸っては鬱になって…

総括と抱負

2018年。2017よりは字面が良い気がする。 平成30年。なかなか区切りが良い。なんとなくいい年になる気がしてきた。 先日、「2017年を漢字一文字で表すとどんな感じ?」と人に聞かれ、「ダジャレかな?」と返したら真っ赤になって肩を殴ってきた。痛い。 私の…