状況が裂いた部屋

旅行と読書と生活

文学フリマ東京35をふりかえる

 

目標は「会場に辿り着き、ブースを出す」「憧れの書き手に献本する」の2つだった。両方達成できて嬉しい。


直前はドタバタだった。11月18日(金)は仕事終わりにSuiseiNoboAzのライブ参戦、19日(土)は休日出勤で終日屋外での防疫業務(過酷な戦いだった…)、22時に帰宅してからコンビニで新刊を刷り、20日のイベント当日を迎える。朝方に起きてホチキス留めと包装をして、なんとか新刊が完成した。新幹線に飛び乗り、11:30に会場入り。両隣のブースに挨拶したところで看板の類を一切作ってないことに気付く。ローソンへ走って油性ペンを書い、チラシの裏にブース番号とサークル名を書いていたら拍手が聴こえた。何もわからないうちに初出展の文フリは始まった。

f:id:ngcmw93:20221123081750j:image10部売れたら御の字だな、と思ってたけれど結果20部売れた。ろくに宣伝もしてないのに予想より売れて満足。買ってくれた人は「ツイッターで見ました」という方がふたり居て、後は立ち読みして前情報無しで買ってくれたようだ。たぶん旅行記を片っ端から買っただけって人もいると思う(ありがたい)。「来週旅行で小豆島行くんですよ」という方とは色々話せてよかった。「土庄町」を「とのしょうまち」と初見では読めない。本で山形県の飛島を取り上げているのを読んで、20年前に出た飛島の本(無明舎出版)をおすすめしてくれた方もいた。ブースに寄ってくれた方と話すだけでも充分楽しい。名刺を渡しまくったおかげか、ブログの閲覧数が少し増えてる気がする。


あとは2022年の個人的ベスト本『うろん紀行』の作者わかしょ文庫さんに献本できた。直接会えて、話までできてよかった。緊張していたのでサインをもらい忘れた。出版元「代わりに読む人」の友田さんの本も書い、こちらはサインもいただけた。5月の時はただの客として『準備号』を買ったけど、まさかそこから半年の間に掌編集とZINEをつくり、同じ会場で売ることになるとは思ってなかった。目標になる人を見つけられたのは大きい。

あとは第一展示場の方を一回りして、気になってた本は大体買えた。斜線堂有紀先生の本やSF誌SCI-FIRE、にゃるら氏のエッセイ、あとはマイケル・ベイの映画批評誌など。作者の方とマイケルベイの映画はもはや歌舞伎ですよねみたいな話をした。アメリカエンタメの王道だと思う。『ザ・ロック』が一番好き。

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5月に客として参加したときも思ったけど、文フリは本当に良いイベントだ。なんていうか、各々が好きなことを緩やかに肯定してもらえる場があることが嬉しい。シウマイ弁当の食べ方の本や映画『クライ・マッチョ』で短歌を詠んだ本、W杯の優勝予想本やDeNAベイスターズの試合観戦記などが一箇所で売られるイベント、この世に他にないだろう。偏愛が爆発している本を手に取るたびに、表現はどこまでも自由で、なんでもありなのだと思える。世の中の広さを思い知り、この文学フリマという場の懐の深さに感動する。どんな物事にも本にする需要があり、面白いと思ってくれる人がいるのだ。そんなことに気付かされる。もちろん(真面目で)上質な小説や短歌もたくさんある。商業出版ではなくても、質の高いものを個人で作り続けている人がいる。そんな諸々に励まされて、自分もやってみようと思えた。イベント二週間前に急にやる気が出てもう一冊作り始め、全然完成が見えなかったときはどうしようかと思った。でも結局無事に売れた。今年の創作を総括する意味でも、参加してよかったと心から思える。


地方都市に住む貧乏なサラリーマンなので、東京のイベントにはたまにしか行けないけれど、今後もなんとか折り合いをつけて参加したいと思う。書きたいネタはいくつもあるので、自分の本をまた作りたい。あとは雑誌や合同紙みたいな媒体で書かせてもらえるように、もっと良い文章を書けるようになりたい。イベントに出たことで毎日読んで書くぞ、とモチベーションは高まった。最近3,000文字くらいの掌編ばかり書いてるので、そろそろ短編くらいの長さを書きたい。

 

飛島旅行記②

 

○ 2日目

f:id:ngcmw93:20221001152719j:image6時に起床、カーテンを開けて即朝日を浴びる。おそらくこの島のほぼ全ての宿から海が見えると思う。

 

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f:id:ngcmw93:20221001152940j:image朝の散歩に出かける。猫がたくさんいるゾーンがあった。目についたやつだけで6匹くらいいた。とびきり人懐こいやつがいて、撫でようとしゃがんだら膝に飛び乗ってきた。しばらく撫でたが、全然離れようとしないので膝から降ろしたら腕を思い切り引っ掻かれた。

 

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f:id:ngcmw93:20221001153401j:image舘岩という岩山に登る。高さは40メートル。フェリーが到着する勝浦港が一望できる。台風が近づいているとは思えない良い天気だった。舘岩の北側には天然の入り江があった。この向こうに「賽の河原」とかいう名所があるらしいので、朝食後に向かうことにする。

 

f:id:ngcmw93:20221001154116j:image猫がいるゾーンの近くに飛島火力発電所があった。東北電力の施設。昨日キャッチボールをしたあたりにアパートが1,2件あったが、インフラ保守とかで本土から単身赴任で仕事に来ている人が少数いるのだろうか。あと、島内には9つもダムがあるらしい。飲料水の供給だったり、農業用水の貯水ようだったりするのだろう。

 

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f:id:ngcmw93:20221001155004j:image賽の河原を目指し、海辺を歩く。奇岩がたくさんある。何故か自転車を抱えて岩山から降りてきたおじさんがいて、挨拶すると「歩き、正解」と息も絶え絶えに言って面白かった。

f:id:ngcmw93:20221002090310j:imagef:id:ngcmw93:20221002090106j:image西側に浮かぶ無人島を眺めながら道を歩く。斜めに筋が入っている岩肌があった。柱状節理ってやつだろうか。途中でいい感じの棒を拾ったので旅の相棒とする。

 

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f:id:ngcmw93:20221002090641j:image港から30分くらい歩き、賽の河原に辿り着く。大きめの丸い石が積み上がっている。どんな意味があるかはよくわからない。近くにアマビエが掘られた白い石碑があった。最近作ったのだろう。

 

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f:id:ngcmw93:20221002090858j:imagef:id:ngcmw93:20221002090951j:image

島では自転車の無料貸し出しをやっており、鍵もかけずに置いてあって自由に借りられる。島の南西から北東まで一気に走って縦断した。自転車に乗るのは5年ぶりだった。めちゃくちゃ楽しい。漕ぐごとに加速して、風を全身に受ける。快晴の空の下で思い切りチャリを漕ぐのに夢中になるなんて、小学生に戻った気分だった。

法木という集落で海沿いの道は終わった。貝殻が落ちている白い砂浜を歩いてみる。東北にもこんな綺麗な砂浜があるんだな、と思う。

 

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f:id:ngcmw93:20221002091732j:imageあとは船に乗って帰るだけなので「とびしまマリンプラザ」に行って涼む。飛島カレーを食べて、ビールを飲んで締めた。離島でも生ビールは飲める。素晴らしいことだ。

 

f:id:ngcmw93:20221002092115j:imagef:id:ngcmw93:20221002092350j:imagef:id:ngcmw93:20221002092118j:image15:45の便で本土へ戻り、帰路についた。大満足の旅だった。特に目的もなく島に行き、散策したりキャッチボールしたりすることで得られる満足感がある。ずっと天気に恵まれたのも良かった。綺麗なボトルの芋焼酎を買って帰った。次はどの島に行こうか考えるのも楽しい。いつでも旅行の計画をしていたい。

 

 

 

 

 

飛島旅行記①

山形県唯一の有人島、飛島へ旅行に行ってきた。1泊2日の小旅行。

自分は離島が好きで、時々船で島へ行く。今回は1泊で行ける距離で、かつ1泊で観たい場所を全部見れそうな手頃な島、という点でここを選んだ。最近行った島の中でも外周約10キロと一番小さい。自分が離島に求める要素があって、とても満足度の高い旅行になった。

 

○ 1日目

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f:id:ngcmw93:20220923131012j:image飛島へは酒田港からフェリーに乗って渡る。その名も「とびしま」。所要時間は1時間半ほど。乗客は20人くらい。展望デッキに出ると秋田・山形の県境にある鳥海山がよく見える。富士山みたいな美しい形だ。

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船内ではKindleで『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んだ。とても面白い。大作の宇宙科学SF。主人公が科学教師なのが良い。『火星の人』と同じくユーモア多めの語り口ですらすらと読める。

15:00、飛島の勝浦港に到着。超大型の台風が沖縄あたりに迫っていたが接岸には特に影響はなかった。

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f:id:ngcmw93:20220923132015j:image船に積まれていた車がクレーンで荷下ろしされる。なかなか見ることのない光景だ。

 

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飛島は半月型の島だ。基本的に東側の海岸に集落や港などがある。とりあえず商店でビールを買い、宿に荷物を置かせてもらう。徒歩で散策に出る。本当にいい天気だった。右手に日本海、左手に民家が連なる防波堤沿いを歩いた。穏やかな海の上をゆったりと鳥が飛んでいて、なんとも長閑だ。

 

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とてもワクワクする入り口を見つけたので登る。5分ほど階段を上がったが行き止まりで何も無かった。津波の避難場所だったらしい。

 

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f:id:ngcmw93:20220925212049j:imageテキ穴洞窟に辿り着く。中はひんやりと涼しい。人がひとりやっと通れるくらいの狭さ。奥の岩壁の上の方にわずかな隙間がある場所があって、先が気になったがよく見えなかった。外の看板を見るとその隙間は「第2洞 詳細不明」とある。ワクワクする。まだ地図に書かれていない謎の空間があるとはロマンがある。

 

いい空き地を見つけたので、一緒に行った旅の相棒(バンドのドラマー)とキャッチボールをする。この旅行の最大の目的、離島でキャッチボールを達成した。このためにグローブを用意してきた。キャッチボールはとても楽しい。バシッといい感触で球を取れたときや、投げた球が狙い通りのところにいったときに、すごい快感がある。お金をかけずに、単純な動作でこんなに楽しくなれるなんて、素晴らしい遊びだ。小一時間くらいしっかりと動いて、かなり気持ち良かった。筋肉痛は2日後に来た。

 

f:id:ngcmw93:20221001142344j:image泊まった民宿の食事は海鮮づくしだった。かなり美味い。昼飯にイカ丼を食べ、大量のイカを摂取していたが夕飯にも出た。あと味噌汁もイカだった。しばらくイカは要らない気分だ。


f:id:ngcmw93:20221001142340j:image一服してたら路地がいい感じだった。街と呼べるほど店はないし人もあまりいないけど、離島にも生活があり、路地が発生している。巨人対阪神のナイターを観ながら酒を飲み、シーソーゲームの末に巨人が逆転勝ちしたので満足して寝た。今年の野球は本当に面白い。

 

 

 

バンドの映像制作の話

 

f:id:ngcmw93:20221004192440j:imageバンドで6曲入りの音源を作った。かなり良い感じの出来映えだし、初めてサブスクで出すのでしっかり宣伝したいな、と広告用にトレーラー映像と1曲フルのMVを制作した。


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今回のミニアルバムは"夏の夜道を散歩するときに聴く曲"というコンセプトがあり、そんな感じのイメージそのままを映像にした。でもレコーディング期間に撮った画は無くて、2017年〜2020年頃に撮り溜めた夜の映像の中からそれっぽいものを集めて編集した。何故夜の映像が大量にあったかというと、当時バンドの別の曲のMVを構想していて、深夜徘徊の途中や朝方の運転中に撮ったものが残っていたからだ。結局そのMVは完成しなかったのだけれど、色彩を調整したり、カットの流れを工夫したり、ボヤけ感を加えることで再利用できて良かった。こうしてきちんと統一感を持たせて形にすると、それぞれのカットもそこそこ良い感じに見える。撮ったはいいけどMVとして仕上げられず、ずっと心に引っかかっていた動画の断片が映像に仕上がってよかった。一度考えたことはお墓を作って供養してあげなければならない。やはり作品は形として仕上げて、世に出して初めて作品になるんだと思う。前向きな形で供養できてよかった。

映像制作はとても楽しい。大変なのでしょっちゅうやろうとは思わないけど。過去に諦めかけた制作をここ最近少しずつ再開して、それなりに納得できるものが作れているのは嬉しい。過去の自分が救われていく気がする。

 

 

以下、例によって参考にしたMVなどの話。

 

きのこ帝国 - 夜が明けたら


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トレーラー映像の元ネタはほぼこれ。学生時代によく聴いていたきのこ帝国の初期の曲。この映像はずっと長いこと頭の中にあって、このイメージに執着してきた。輪郭のぼやけた淡い映像と、映っているのは抽象的な風景なのに撮っている人間の目線のような映像。一人称で描かれている文章みたいだ。曲のイメージを完璧に表現した傑作だと思う。10年間もこれがやりたいと思い続けてきた。少しは同じ雰囲気が出せたような気がしている。

 

Title Fight - Head In The Ceilling Fan

Title Fight - "Head In The Ceiling Fan" - YouTube

超名曲。トレーラーの方はこれくらい粗いVHSの質感にしたかったけど、流石にやり過ぎな気がしてやめた。空虚な感じが堪らない。

 

ミツメ - 煙突


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輪郭のぼやけた風景、通り過ぎるネオン、流れていくガードレールと車線の白線...夢の中みたいな映像だ。全体を通して抑えめの色彩なのも良い。ほぼ車窓の風景だけでこんなに良い映像を作れるんだ、と感動する。これも「夜が明けたら」も10年前。学生の時に繰り返し観た映像が今の自分に影響しているのは不思議な感じだ。よっぽど刷り込まれていたみたいだ。

 

I have a hurt - Hello Darkness


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超名曲。イントロのめちゃくちゃな勢いがかっこいい。これぞギターロックバンド、って感じの曲だ。夜道は上手く撮らないとただの真っ暗な映像になってしまう。街灯や薄明るさを使って、なんとなく映す対象が照らされていなければならない。かといってバチバチに照明を当てると"撮ろうとしている感"が出過ぎてしまう。そこを上手いことやると、映画みたいな画になる…と勝手に思っている。いいPVだ。アイデア一発、って感じの撮り方は編集も楽だったりする。

 

HASAMI group -  summer


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何の映画だろうか、ロケ地は新潟市っぽいけど…と色々調べていたら『blue』という映画だった。終盤の、日が沈んだ濃紺の空をバックに自動販売機が浮かぶように光ってる構図が衝撃的に綺麗だ。これを撮りたくて何年も狙っている。日が落ちてから真っ暗になるまでの一瞬、地平線がぼんやり明るいあの時間の素材を撮りたい。

 

あとはHomecomingsのすべてのビデオ。特に「HURTS」「blue hour」はめちゃくちゃ良くて、あれをやりたかったが歩くだけで絵になる景色も女の子もいないのだった。

20代のうちにもう一つくらい何か撮れたらな、と思う。

 

2022年サウナ探訪

今年初めて行って良かったサウナ5選。


①サウナセンター(鶯谷

②The Sauna(野尻湖

③snow peak FIELD SUITE SPA(三条)

④Hostel Perch(佐渡

⑤In the earth(出雲崎

 


①サウナセンター(鶯谷

f:id:ngcmw93:20220529190802j:imageサウナーの聖地みたいになってる場所。以前から噂はよく聞いていたので行く機会を伺っていた。5月、文学フリマゴールデンカムイ展へ行く目的で東京を訪れた際に満を持して突撃した。結論、最高のサウナだった。

f:id:ngcmw93:20220529191056j:image都内にいくつかある、カプセルホテルとサウナが一体になったタイプ。カプセルは2018年頃に改築した際作ったらしい。喫煙所が各階にあり、無料の水とお茶のサーバーもあって嬉しい。

サウナは15人くらい入れる広さ。木のいい香りがする。3段あった一番上に座れたからか8分サウナ→1分水風呂→外気浴の1ターン目でガッツリととのった。ビルなので外には出れないが、水風呂の前に椅子と外気が通るいい感じのスペースがある。サウナの隣にクーラーで冷えた部屋があるのが素晴らしい。1時間おき程度にアウフグースタイムがある。もうととのったし迷ったが、ちょうど始まったので参加した。アロマの香りと熱波師の技で素晴らしい熱波を感じる…が、一番上の段にいたため地獄のような熱さだった。気をつけないと火傷する。アウフグースは下の段が正解。

あと、タナカカツキ先生の『サ道 ととのいの果てに』を拝読した。サ道の連載開始までの経緯や、サウナ大使になってからのあれこれ、フィンランド行きのことなど盛り沢山で面白い。2012年頃流行った「コップのフチ子さん」のデザインや美大客員教授だったり、ドラマ版サ道の「ととのった〜!!」のシーンで背景に流れるサイケデリックな映像(virtual drug)などを作ってたとは知らなかった…大使凄すぎる。

f:id:ngcmw93:20220529202613j:imageサウナの後は5階で飲む。俺は旅先で飲む瓶ビールが本当に好き…。

翌朝も早朝サウナをキメた。ほぼ貸切で最高だった。外気浴スペースでは風鈴が鳴っている。ととのいながら夏の訪れを感じた。

 

 

②The Sauna(野尻湖

f:id:ngcmw93:20220614210508j:image今現在、自分の中でのベストサウナ。超本格的な、サウナ好きが皆満足する、サウナーのためのサウナ。最終的にみんなここに辿り着く気がする。

ここはサウナ狂いの友人に連れられて行った。我々が入ったサウナは「ユクシ」という名のついたログハウスで、薪ストーブが設置されていた。ここ数ヶ月ゴールデンカムイに取り憑かれている自分は丸太小屋のサウナを見てバーニャじゃん…と思った。ベンチが両脇に2段ずつ、中央に薪ストーブ。天井が低いので上段はかなり熱い。熱と戦ってから飛び込む水風呂(近くの川の水を引いている?)がキンキンに冷えていて最高だった。すぐ近くの野尻湖に飛び込んでもいいらしいが、おとなしく清潔な樽の水風呂に入った。体を拭き椅子に寝そべると浮かんでいる感覚に飛ばされて、しばし全員無言になる。完璧なととのいだった。時間があっという間に過ぎていく。サービスだったのか、最後の方にスタッフの方がウィスキングをやってくれた。ヴィヒタで身体を叩いたりすることらしい。熱波が凄い。景色も良い場所だし宿泊も可能なので何回でも行きたい。

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③snow peak FIELD SUITE SPA(三条)

f:id:ngcmw93:20220614211015j:imageついにスノーピークが風呂まで作っちゃったか…行くしかねえ!とサウナ狂いの友人と突撃した。外見があまりに綺麗でこんなの美術館じゃねえかと騒ぐ。内装もデザインがこだわってる感じがして圧倒された。自分みたいなのがこんな意識高そうな場所に入ってはいけない気もする。2022年の4月にオープンしたばかりで、6月に行った我々は浴場に入った瞬間のめちゃくちゃ良い匂いにときめいた。

サウナは20人くらい入れる広さ、石が積まれたストーブをコの字型のベンチで囲み、一方が全面のガラス張りできれいな空と山が見える。微かに環境音楽が流れてる中、ひたすら熱を感じて汗を流す素晴らしいサウナだった。外気浴スペースも目の前芝生と山で、ロケーションで言ったら圧倒的一位だった。食事が食べられる施設が2つあり、サ飯と呼ぶにはおしゃれすぎるご飯を食べた。なんかテンションがおかしくなりTシャツを買うなどした。

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④Hostel Perch(佐渡

f:id:ngcmw93:20220804104126j:image仕事の都合で時々佐渡に行くイベントが発生する。毎回、出張の用事を金曜に済ませ、自費で一泊し翌日観光して帰る。島が好きなので。

今年は島の西側に位置する佐和田海岸にあるパーチというゲストハウスに泊まった。サウナがあり、酒が飲める、俺のために作ったのか?ってくらい最高の宿だった。割と広々したコワーキングスペースもある。夜、予約していたサウナに入る。19時〜20時半の混みそうな時間の枠だったけど、運良く客は自分ひとりで、貸切だった。

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f:id:ngcmw93:20220804105647j:image蔵サウナは凄まじい熱さで、最初は5分が限界なくらいだった。何周かするうちに慣れてくる。ひとりなので自由にロウリュウもできた。飲み放題のお茶がとても美味い。たっぷり1時間半満喫した。隣の神社でお祭りの練習なのかドコドコと太鼓が鳴る。旨いクラフトビールも飲めてこのために生きてる…と完璧に仕上がった。佐渡がまた好きになった。

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⑤In the earth(出雲崎

f:id:ngcmw93:20220529185805j:imageここまで書いて3月に行ったサウナを思い出した。新潟の中越地方、出雲崎に今年オープンしたIn the earth。例によってサウナ狂いの友人が予約し、プレオープン期間に訪れた。

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f:id:ngcmw93:20220529185842j:image以前は臨海学校だった建物を利用しているため、教室がそのまま使われている。なんかテントとか炬燵があった。この時はプレオープンなので開始してなかったが、今はグランピングとかもできるらしい。

f:id:ngcmw93:20220529190137j:imageサウナはとても良かった。土で塗り固めて作ったドーム型のサウナ。天井が低いので熱がすぐ回る。セルフロウリュもできる。しかし3月で外には雪が薄く積もるほどの寒い日で、水風呂は狂気の5℃だった。頑張っても15秒ほどが限界で、友人たち4人で叫びながら修行のように入った。めちゃくちゃうるさかったと思う。外気浴というかベッドチェアに寝転べる綺麗な部屋もあったが、ここの気温も外と変わらない寒さだった。施設は良いので、時期を選べばととのったと思う…。

 

新潟には設備の良いサウナがいくつもあり、自分は市内の銭湯「金の湯」を本拠地にしている。市民は月5回まで230円で入れる最強のチケットが貰えるので毎週通っている。2ヶ月に1度は旧下田村の「いい湯らてい」に行く。UFOみたいなオートロウリュマシンが稼働し、地獄のような熱波が出るのが楽しい。八木ヶ鼻というデカい崖を眺めながらととのうことが出来る。

以前東京の文学フリマで銭湯の写真集を出してる方と風呂の話ができたのは良かった。新潟に時々行く機会があるそうで、自分の本拠地をおすすめした。

現在の夢は、全てのサウナーの憧れ「サウナしきじ」に行くこと。あまりに絶賛されてるので自分の中でハードルが上がりまくっているが、いつか必ず訪れてみたい。

 

 

ZINEを制作した話

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初めてZINEを作り、イベントで売った。結論から書くとかなり面白かった。申し込み期限の直前に一気に作ったので少し粗い部分もあったけれど、割と好評だったので良かった。反応をもらえるのはやはり嬉しい。作った甲斐があったと思う。以下、制作メモと反省。

ふふふのZINE ← 出たイベント

 

5月くらいにイベントの存在を知り、客として見に行きたいなぁ、くらいに考えていた。しかし6月半ばに急に自分の本を出してえ...と思い急遽作った。スケジュールを書き出してみたのに全然取り掛かれず、6月後半に制作と入稿、7月に納品されて即イベント申し込み、とギリギリ駆け込みだった。というか申し込み時点ではもう一冊は完成してなくて、価格設定をミスってしまった(セブンイレブンの小冊子印刷でA5サイズ28Pは140円だった、安くて便利)。ドタバタして主催の方に申し訳ない。

なんで急にやる気が出たかといえば、5月の東京文フリに行って強烈な刺激を受けたのと、バンドの音源制作が進むにつれて個人でもなんか作りたいな、と創作欲が湧いたからだ。文フリのあの雰囲気、プロもアマも分け隔てなく、同じ場所にブースを並べて作品を売っている場に強い憧れを持ってしまった。斜線堂有紀先生と喋ったり、滝本竜彦先生の存在を見つけたりして(エリーツのメンバーが3人くらい居た)テンションがぶち上がった一方、作家ではなく普段は会社員をやってるような一般の方が、熱量の高い作品を出していて、本当に良かった。商業出版だけではなく、同人でこんなに質の高いものを作ってる人たちが居るんだな…と感動してしまった。同好会で出展していたアニメの批評や、映画パンフの本、街歩きの本、そして個人的上半期読んだ本ベストの『うろん紀行』を出した「代わりに読む人」のブースに行けてよかった。

他にやる気が出た理由のひとつに、ここ半年くらいずっとHASAMI groupにハマっているということもある。偏執的な、時にノイズにまみれた、切実な曲ばかりだ。狂った制作ペースもふざけたような活動スタンスもホームページの感じも全てがツボだった。私は青木龍一郎氏のことを尊敬している。

あとは制作に取り組む時間の捻出、これが難しかった。仕事から帰った夜の時間に創作をするのはキツいものがある。通勤時間に構想を練って、夜に執筆するのが理想だけど全然出来なかった。かといって週末にまとめて書くにも集中力には限りがあり、やっぱり30分くらいずつでも平日にコツコツやるしかないのだと思う。30分だけやろうと机に向かったら、いつの間にか2時間書いてた、みたいなこともある。弱くてもエンジンをかけ続けることが大事だ。

 

制作には無料の「Libre Office」とかいうソフトを使った。写真と文字の段組みはこれで割とできる。しかし操作性に若干問題があるのですぐに貼り付けた写真がズレてストレスだった。文フリで話した人たちに「何のソフトで作ったんですか」と聞くと皆IllustratorInDesignを使っていたので、やはりお金をかけて環境を整えるべきかなと思った。一式揃えたからにはやる気も出るのだろうか。

 

作ったZINEの残部が僅かにあるので、売り切るためにもう一個くらいイベントに出たい。ネットプリントの方は一部の文字を修正(縦書きなのに英数字が横倒しになっている)するのと、表紙の枠の大きさを変えて、第2版として刷る予定。5部くらい地元の本屋で扱ってもらえたら嬉しい。どうやらZINEのイベントは他にもあるそうなので、スケジュールが合えば出展したり、ふらっと買いに行きたいと思う。あと、文フリも出たいと思う。またなんか書こう。

 

ゴールデンカムイのこと

あまりにも強力な物語に打ちのめされて、仕事帰りのドトールでしばらく呆然としていた。受け止めきれない。苦しくて読み進められない。それでもスマホを開き、2回3回と読み返してしまう。あらゆる感情が溢れてきてコントロールできなかった。この物語を消化し、受け入れるのに長い時間を要した。ゴールデンカムイ310話のことです。尾形、お前って奴は……。なんて凄惨な死に様だ。なんて生き様だったんだ……。

 

その後、ゴールデンカムイの全話無料開放で感情をめちゃくちゃにされた私は快活クラブで単行本で全巻読み返し、更に感情を抉られていた。

実は白石や鶴見より先に登場していた尾形(第2話)、最初は坊主でモブっぽいキャラだったのに、ここまで大きな存在になるとは思わなかった。凄腕の狙撃手で第七師団長の妾の子。土方歳三と行動を共にしたり、後半右眼を毒矢で撃たれて義眼になったり、何故かロシア語を話せたりと要素が多すぎる。猫目で、キザな喋り方で、敵なのか味方なのか分からない得体の知れない隙のない男。一回だけ「ヒンナ」って言って、あの時はやっとアシリパたちと心が通じるかと思ったのに。地獄行きの特等席に乗りやがって…。そしてあの死に様。毒で錯乱する中、自分が手に掛けた父親、弟、(恐らく)母の死に方全てを負って、自ら引き金を引くあの最期……。最終話で出てくる絵『山猫の死』。ヴァシリは生きていて、尾形を描いて弔ったのか?考察の余白を残すのも凄い演出だ……。

再読して、キャラ一人ひとりのエピソードの強さに驚く。作者は設定をどれだけ作り込んだのか。鶴見が、暴走する機関車で杉元との戦闘中、妻と娘の遺骨を砕かれたときのあの表情。狡猾で底の知れない、前頭葉が吹き飛んだ軍人が見せる人間らしい表情。怒涛のクライマックスであの一瞬があるのは本当に凄い。月島や谷垣も、暗い過去があるキャラがそれを抱えたまま生きている。金塊争奪戦という本筋が霞むくらい、サイドストーリーが深く面白い。杉元がなんで金が欲しいのか最終話を読むまで忘れていた。

 

 

f:id:ngcmw93:20220530211543j:image以下、ゴールデンカムイ展のこと。ファンが満足できる最高の展示だった…。

 

f:id:ngcmw93:20220530211919j:image杉元の軍帽のモデル品。つまり菊田から杉元に贈られたものか。

f:id:ngcmw93:20220530211840j:imageうお…尾形の三八式歩兵銃のモデル…。

f:id:ngcmw93:20220531201901j:imageまだ両目ある時だ。

キロランケのマキリも、キラウシの着物もある。

展示をじっくり観て回ると、物語の細部にまた気付きがあって面白い。そういえば宇佐美も新潟の出身だったか、鶴見を崇拝してたもんな…。

 

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f:id:ngcmw93:20220530212115j:image24人の刺繍の囚人の中でも特に好きな3人。姉畑支遁…。

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f:id:ngcmw93:20220603073335j:imageあと剥製職人・江渡貝弥作の紹介がふざけ過ぎてて良かった。鶴見中尉と江渡貝の絡みも好き。第七師団周辺のイカれたキャラみんな好きだった。

 

中盤の少数民族の文化の解説が丁寧でよかった。アイヌの他にも樺太編で登場する民族についての説明が面白い。ニヴフ族やウイルタ族など。もちろんアイヌの道具、風習なども展示がある。チプタプの料理サンプルとか。


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f:id:ngcmw93:20220530212936j:imageあと、今更ながら野田サトル先生の絵は本当に構図がかっこいい。これだけ絵で語れないと、最終盤の杉元と鶴見中尉の台詞無しバトルシーンとか描けないよな…。とことん作り込まれた設定と、妥協のないバキバキにキマッた画、傑作になる条件が全て揃ってて、売れるべくして売れたのだな…。ストーリーの凄さに夢中だったけど、そんな今更な部分を思い知らされた。


展示は大盛況でめちゃくちゃに混んでいた。客層は20〜40代くらいの女性がかなり多かった。青年誌のヤンジャン連載の漫画でこれほど女性人気があるのは凄い。グッズは悩んだ末にずっと飾れるものを買った。本当は「第七師団お風呂セット」が欲しかったが売り切れだった。


f:id:ngcmw93:20220530211324j:image入場者特典は鯉登少尉!キェーッ(猿叫)


f:id:ngcmw93:20220531060012j:imageアクリルジオラマを入手。 一番いい場所に飾る。


今後も単行本の発売、アニメ第四期が2022年10月放送開始、そして実写映画化と連載が完結してもまだまだ話題は尽きない。まずはアニメを観るか、単行本をまた読み返すか、楽しみがあるのは幸せだ。野田サトル先生ありがとう…。