立山周辺及び黒部ダムを観光した記録。
●1日目
立山サンダーバードという名のご当地コンビニに立ち寄る。かなり攻めた独自路線の店として有名な場所。ずっと行ってみたかった。
入り口には「撮影のみの方お断り」の注意書きがびっしり貼ってあり、やや怖い。レジカウンターには店主と思われる老人がひとり。棚を見るとクレイジーさがよくわかった。おにぎりコーナーにあるのはヒグマ、ダチョウ、カンガルー、しか、ワニ、うさぎなど。ちなみにヒグマのおにぎりが950円で一番高かった。他は大体300〜600円くらい。迷った末になまずのおにぎりを買った。白身魚のフレークみたいな感じで結構美味しかった。ワニのおにぎりは「わにぎり」として売り出しており、それにちなんだTシャツも出している。愉快だ。
サンドイッチコーナーも自由だった。富山風お好み焼き、名古屋台湾ラーメン風ミンチカツ、アジアンエスニックチーズとり唐…など。よく思いつくなと思う。
他には世界の煙草コーナー、店主の兄弟の方がデザインしたポストカードとTシャツコーナー、カップラーメンコーナーなど。あと飲み物は見たことないサイダー類が充実している。 牛タンサイダー、餃子サイダー、源たれサイダーなど。キワキワだった。店主はかなり高齢に見えたが、後継はいるのだろうか。
おにぎりの「なまず」の文字がなんとも言えず良い。力水を飲むのは小学生以来だ。甘くて少し酸っぱくて、なんか純粋だった少年の心を取り戻した。
続いて「まんだら遊苑」という施設に行ったが、こちらもキワキワだった。


まずは地獄をイメージした建物に入る。嵐のような風の音と、鬼の叫び声が聞こえる。普通に怖い。立山は古くから信仰の対象とされ、この施設はその過程で作られた『立山曼荼羅』の世界を構築したという。県営とは思えないとんがった施設だ。こういう独特な建物が広大な土地に点在している。



奏楽洞という打楽器を演奏できる部屋や、円形の瞑想できる部屋があった。長い筒状の暗所を通りぬける場所があり、善光寺の御堂入りみたいに感じる。途中の施設で建築士の名前には磯崎新とあり、なんか見覚えのある名前だな…と思い、帰ってから調べたところ、沢木耕太郎『深夜特急』に登場する建築家だった。順路の終盤にあった広いカモシカ園にはカモシカが一匹だけいる。近くにいて喋った係の人曰く、結構な年寄りらしい。でも綺麗な見た目だ。まんだら遊苑には2時間滞在したが全体の半分しか見て回れなかった。かなり広大だ。


ホームセンターシマヤ立山店に行く。自分と妻がよく観る番組「ランジャタイによりますと」の破茶滅茶なロケが行われたシマヤ。国崎が販促でライオンハートを歌い、おしょらい棒を100個レジ打ちし、柴田アナが出禁になった神回のロケ地を観たくて行ってしまった。富山ローカルなのに異常な面白さ。毎回、あの国崎よりも柴田アナや登場する富山県民の方が狂っていて、こんな破天荒な番組よく作れるなと思う。お惣菜コーナーに2人が書いたパネルが展示されてあって嬉しい。そこで夕飯を買って、宿で寄生獣を読み、映画のロボコップを観て寝た。やはり景気良くたくさん人が死ぬ映画が大好きだ。
●2日目
朝5時半に起きて立山駅へ向かう。車で向かう途中、丸々と太ったイノシシが道を横切るのでびびった。7:00発の立山ケーブルカーに乗車。「立山黒部アルペンルートWEBきっぷ」を事前に早割で確保していた。満員のケーブルカーで7分、すぐに美女平に着く。そこから立山高原バスで一気に1,500m登って室堂へ。ここが凄かった。ひたすら蛇行した道を登り続けるのだが、時々名所がありバスが停車してくれる。VHSの画質のビデオで滝や巨木、地名の紹介がある。途中「ガキの田んぼ」(ガキ田)と呼ばれる池というか沼の紹介があった。高原地帯特有の地形らしく、死者の霊(餓鬼)が飢えを凌ぐために田植えをした場所と言われていたらしい。弥陀ヶ原とか天狗の鼻とか、面白い地名が多い。少しだけ剱岳が見えた。


標高2,450m、室堂に着く。驚くほど涼しい。ホテル立山など宿泊施設もあり、立山周辺の登山や観光の中心になる場所だ。始発便で登ったため、ほとんど人が居らず絶景を独り占めできた。ミクリガ池まで歩く。夏を乗り越えた雪が少しだけ残っていた。池の周りを散策する。残念ながら雷鳥はいなかった。つくづく天気が快晴でよかった。この時点で立山に来た甲斐があった、と思えるほど満喫したが、ここから黒部ダムへ向かう。道中、中国人と韓国人の観光客がとても多い。駅員さんが中国語で注意事項を呼びかけ、中国人のおばさんが親指を立てて応じており、なんか良かった。
室堂からは立山トンネル電気バス、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカーと乗り継ぎ、10時過ぎに黒部ダムへ到着。こんなに乗り物のバリエーションを豊富に乗り換えをする場所は他に無いだろう。2024年に日本最後のトロリーバスが運行を終了しており、電気バスに移行したためバスは新しくて綺麗だった。おおかみこどもの雨と雪のデザインに乗れた。青いケーブルカーから観る山嶺がひたすらに美しい。

ついに黒部ダムに辿り着いた。まずはえん堤を歩く。観光放水の時期に来れて良かった。ダムから噴き出す水流の上にはずっと虹がかかっている。マスコットのくろにょんがいた。慰霊碑、展望台、難工事だった建設を紹介する展示を観て、食堂で黒部ダムカレーを食べる。美味い。あらゆる角度からダムを撮る。炎天下に急な階段を登るのは辛かった。そして念願だった黒部ダムカードをゲット。家宝にしたい。
帰りも見飽きることのない自然を眺めながら帰る。サングラスを持って行ってよかった。日差しは強くて目が痛くなる。あと高低差で耳が気圧でやられた。ペットボトルも凹む。駅で黒部平ブラックソフトを食べ、お土産を買い、15時頃に立山を下山。行きも帰りも空いており、始発で登ったのは正解だった。次は称名滝も間近で見たいので、近いうちに再訪したい。やはり自然を見る旅は天候によるが満足度が高い。

最後に富山県立山博物館に立ち寄る。建物がかっこいい。これも磯崎新氏の作品だった。常設展示は立山信仰の歴史など。終盤に「くたべ」という妖怪の紹介があって面白かった。顔は人、体は獣の霊獣。疫病の難を逃れるために自分の絵を描いて人々に知らせよ、と言ったらしく、アマビエに通じるものを感じる。この博物館のマスコットキャラにもなっている。
夕陽を見ながらひたすら運転して帰宅。新潟市に入るあたりで小さく花火が見えた。高速から見える花火も風情があって良い。もう夏が終わるなと思った。