状況が裂いた部屋

音楽と映画と生活

映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を観た。正直な感想としては、面白くないとは言わないがうーん、イマイチ…という感じ。作画、音楽、声優さんの声、演技ははすごく好きだ。ただ中盤あたりからのストーリーがごちゃごちゃしていて(理解が足りないだけかもしれない)、クライマックス的なあるシーンの演出で完全に醒めてしまった。あと予告編が素晴らしかったために期待し過ぎたところがあったかもしれない。

 

以下、まとまった文章を書く気力がないため適当に書き散らす雑感メモ。

 

・予告編が出た時から一番グッときていたのがヒロインなずなと主人公典道の身長差だ。中学生の設定だったけど、中1だとまだ女の子の方が背が高くて大人びていたりする。浴衣姿の大人びたなずなを、まだあどけなさのある主人公が手を引いたり自転車の荷台に乗せていたりするの、本当にかわいい。良かった。

 

・なずなと典道は「駆け落ち」をする訳だけれど、お互いに「好き」と告白し合うシーンってなかった気がする。見逃しただけかな。最後水中でキスをするけど、台詞でも妄想でもはっきり気持ちを言い合っていないと思う。祐介には水泳で勝って花火に誘うときに「好きだから」とボソッと言ったけれど。嘘だったけれど。

 

・なずなの生みの父親が「例の玉」を持って海で死んでいたが、あれは彼もタイムリープしていたと言えるのだろうか?作中で全く触れずにあのシーンだけなので、考察のやり甲斐はあるが謎っぽい話を盛り込みたかっただけなのか?と少しモヤっとする。

 

・終盤のクライマックス、酔った花火師が上げた尺玉で町一帯を覆っていた幕が壊れ、2人の「もしも」がガラス片?に写り走馬灯のように降ってくる、というシーンがクサすぎて萎えた。これがクライマックスかよ、と僕は不貞腐れてしまったが、あそこが一番良かった、という感想の人もいたので合わなかっただけかな。

 

・ラストシーン、なずなが居ないのはわかるが、典道もいないことの意味は?ただ想像にお任せします程度なのか。まさか東京へ駆け落ちしたオチじゃなかったし。原作版の後日談にあったという、なずなだけ居なくなった教室のシーンそのままで良かった気がする。

 

・音楽は凄く良かった。サントラ買おうか迷う。名曲「Forever  Friends」は岩井版のオリジナルの方がいいかな。

 

・やはりこのタイミングだと、題材が少し被る「君の名は。」とどうしても比べられてしまうのが可哀想。せめてこちらが先だったら。「ひるね姫」を観た時も思ったが、2時間程度の上映時間でひとつの物語を起承転結までやり切ることの難しさというものがある。風呂敷を広げ、時間内に誰から見ても綺麗に畳むという作業。その点君の名はって凄かったんだなと。「シン・ゴジラ」みたいに圧倒的な情報量をあのテンポのよさで詰め込めるのも凄いけれど、「打ち上げ花火」みたいなノスタルジーや恋愛的な要素がある青春モノだとそうは出来ない。台詞のないシーンや映像の演出で語るような余韻が必要だし。飛び出しは素晴らしかったのに、着地が出来ないこの感じ。偉そうなことも言いたくなる…。

 

・やや蛇足かもしれないけれど、ツイッターで感想を覗いてたらとある人がドラマ版のモテキ2話目を観ながら岩井俊二原作版「打ち上げ花火」を観ていた。原作版を撮影した千葉の某所を2人で聖地巡礼するという話。満島ひかりがいつかちゃん役なのが素晴らし過ぎる。というかあれを撮った大根仁が本作の監督だっけ?どのシーンも寸分違わないくらい岩井版をオマージュ(というか単なる聖地巡礼か)しているようで愛があって良かった。