状況が裂いた部屋

音楽と映画と日常について

SuiseiNoboAz@酒田music factory

   酒田でフェスを見てきた。7月上旬の土日2日間を使った、各日1ステージのみの、小規模でいかにも地方のライブイベント。なかなかに雰囲気が良く楽しめた。ユニーク過ぎるパフォーマンスと格好良過ぎる曲で一瞬でファンになってしまったCHAIというガールズバンドや、本格派轟音シューゲイザーバンドのslow snow slideなど片道3時間かけて行く価値あったな、と思えるバンドばかりだった。もちろん一番の目的は2日目にトリで出たLOSTAGEのライブを見て、話題の新譜を五味さん本人から買うことだったし、それは達成できた。In Dreamsは名盤。でもここではボアズのライブについてだけ書く。

   結論を先に書くと、最高のライブだった。

 

 

 SuiseiNoboAz

 2017年7月8日21:10〜 酒田music factory

 

セットリスト

 

1.ultra
2.pika
3.gakiami
4.shoegazer
5.T.D.P.P PIRATES LANGUAGE
6.rock'n roll
7.elephant you
8.hypercub
9.liquid rainbow
en.E.O.W

 

 

   書き出してはみたけれど後半の曲順が曖昧だ。hypercubは6曲目だったかもしれない。やったのは確かにこの10曲。

 

   1曲目、てっきりliquid rainbowでくると思っていたら予想を裏切られた。オープニングの定番曲urtra。ギターの音が良過ぎる。石原さんが高い音がキツそうでがなり散らすように歌っていた。続けて2曲目はpika。イントロの音の広がりが本当に気持ちいい。ぬるぬると自在に動くベースラインとサビの疾走感。自分は石原さん側の2列目あたりで観ていたんだけれど、音のバランスが完璧だと思った。2013年のライジングサンで観たときはスピーカーの目の前だったため、爆音のファズでかなり耳にダメージを負ったので。

 

   gakiamiの前に石原さんは横に設置した機材(Macbookとパッドのようなものがあった)から謎の音声を流し、客をポカンとさせてから曲に入った。流石にお経ではなかった。俺のファズは水陸両用モデル。

 

   shoegazerは2ndのなかでも64やlandryと並び大好きな曲だが、gleenlandの間奏と同じく高野メルドーがいい感じの浮遊感のあるギターを弾いていて見事にアップデートされていた。高野メルドーはインターネット狂なのでこの文章を読んでくれるかなとちょっと期待している。

 

   途中、石原さんが我々は山形でのライブは初めてだが、山形の事は愛読している本上まなみさんのエッセイでよく知っている、という旨のMCをしてウケていた。ちなみに僕は翌日ブックオフ本上まなみほんじょの鉛筆日和。」を108円で購入し、もれなくファンになった。かわいい文章だ。

 

   T.D.P.P、相変わらず壮絶な曲だ。ライブでよくやるなと毎度思う。ずっと赤い照明なのがよかった。「ピザでも食ってろ豚野郎‼︎」感が炸裂してた。伝われ。

 

   3rdのubikからrock'n rollとelephant youをやってくれたのも嬉しかった。というか2ndから新譜までのライブ曲を包括していて最高のセットリストだった。4人体制になってもそれまでの既存曲では石原さんの弾いているパートは特に変わらず、バンドの土台にメルドーのギターが一本上乗せされたという感じだ。

 

   hypercubはやってくれると思っていたが案の定素晴らしかった。轟音ファズのあまりの美しさに恍惚とした。ひとつのコードをまさに「64分くらいの感じで」ひたすら弾き倒す間奏、男らしさと潔さがロッケンロール感あった。ラストにliquid rainbowで本編終了、掃けてすぐにアンコール、E.O.Wで一番の盛り上がりを見せた。延々と引き延ばされるアウトロの中、天井から吊るされた石原さんのストラトからノイズを発したままこの日何度目かわからないメンバー紹介、最後テープエコーがブツリと落とされて終わった。ロックバンドならこうありたい、こうあってほしいという願望全てを叶えるような立ち姿のバンドだと思う。もしかしたら逆で、こんなかっこいいバンドのことをロックバンドと呼ぶのかもしれない。いずれにせよバンドのロマンの全てを体現したライブであった。

 

   ツアーをもう一周まわりたいくらいだとも話していた。頼むから新潟に来てくれ。

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三部作について思うこと

   僕の中のオールタイム・ベスト映画は12歳の頃から「BACK TO THE FUTURE」である。監督ロバート・ゼメキスはこの傑作の続編を絶対に作らないと決め、また他人に勝手にリメイクされないようあらゆる権利を買い占めているという。素晴らしいと思う。この傑作に付け加えるものなど何もない。もし中途半端な期待を持たせられ、ゼメキスの寿命やマーティ役のマイケル・J・フォックスの病気の具合を心配しつつpart4を待ち続ける人生なんてそんなのは嫌だ。過去、未来、そして過去と時をかけるロマン、気持ちのいい伏線回収、破茶滅茶なマーティとナイスキャラのドク、敵役のビフ、男たちの永遠の憧れデロリアンDMC-12など魅力に溢れた映画だ。

   しかしこの映画の本質はpart3のラスト、現代へ帰るドクの台詞に尽きると思う。SF映画史に残る最高のメッセージだと思う。

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無題

    新潟で暮らして20年目になる。出身は新潟だけど、4歳になる直前まで父親の仕事の都合で東京で暮らしていた。親の離婚をきっかけに母の実家に帰った感じだ。この地方都市はこれぞという観光地はないが住み心地でいえばそこそこ悪くない、丁度良さのある街だと思う。大都会特有の忙しなさや冷たさがあるわけではなく、過疎地のど田舎特有の面倒な寄合いなどの煩わしい人間関係もない。まあこれについては現在実家暮らしなのでちょっとした親戚付き合いくらいはある。それも理由をつけて逃げられる程度のものだ。ロフトがあり、タワレコが一応あり、やたらと美容院が多く、都会へのアクセスは良い、普通に暮らす分には悪くない街。

 

    高校生の頃、様々な要因からくる居心地の悪さや窮屈さ(今思えば7割は自分のせい)にはち切れそうになりながらも平々凡々な男子学生だった僕は大学進学というチャンスで絶対にこの街から出て行ってやろうと心に決め、それをモチベーションに勉強に励んでいた。街を出るからには都会がよいなあと思いながら、本屋で関東の大学の赤本を眺めていた。数学ができないから文系、やりたいことは特にないけど小説が好きだし日本史も好きだな、うちには金がないな、などと考えているうちに自然と進路は関東の某国公立文系に定まった。しかし、センターの点があまりにも微妙で出願はあっさり諦めた。その下となると関東にちょうど良い偏差値の大学は無く、ならばと同じ北陸だけど少しレベルの高い金沢の大学を受験する悪足掻きをするも見事失敗、浪人は出来ない事情から結局後期である意味一番受けたくなかった地元の国立大学(後期なのでB判定なのに人文をやめA判だったF欄臭がすごいクソ長い名前の学科)に落ち着いた。

    結論から言えば結果オーライで、23歳になった今ではここで大学生活を送れてよかったと思っている。大学は良い時期も悪い時期もあったけどそれも引っくるめてとても楽しかった。地元の大学に進学しなければ地元に就職することもなかっただろうし、今の仕事にも就くこともなかったと思う。今の居場所は自分にちょうど良く、バンドという生き甲斐もある。映画を観ることも読書も旅行も割と出来てる。

    確か大学3年くらいの春、男友達といつもの呑み屋でだらだらと瓶ビールを飲んでいた時、なんとなく就活の話になった。一応お互いそういう時期だったし。僕が公務員試験の勉強をして、地元の役所を受けるよ、というとそっかあ、いいんじゃねと言われた。そいつは院に進むと言った。理系はそういう選択もあるよね、研究室大変かもだけどモラトリアムの延長が出来るのは羨ましい、と僕は言った。次に唐突に友達は姉の話をはじめた。大学を出て、地元で社会人になり、働きながら普通に元気に働く姉のことを一通り話してから、それもいい人生かもしれないけど、と前置きして奴は言った

「自分を納得させる生き方はしたくないよね」

 

その後酔い潰れた友達を家に送ったあと、コンビニに寄り初めてタバコを買って吸いながらか考えた。自分がしようとしている選択は、まさにそれなんじゃないのか…と

 

    時間は経って、結局自分は地元で公務員になった。良い落とし所に落ち着いた、とも言えるし、可能性(薄っぺらい言葉だ…)から逃げたと見ることもできる。東京でも2社だけ民間を受けたけど選考の途中で今の就職先が決まり蹴ってしまった。それが間違ってたとも思わない。

   それでも、「自分を納得させる生き方」という言葉が少し引っかかったのも事実だ。

 

 

   まとめると、都会に出ることに漠然と憧れていた昔の自分の願望は叶わなかったが、社会人2年目でそんな人生を肯定できた、ということ。

この街がまあまあの規模の地方都市で、就職先の待遇がまあまあ良く、今後の自分もまあなんとかやっていけそう、という見通しが立ってようやくこうして言えることでもあるので、一度は街を離れて全く違う環境で暮らしてみるのも悪くないかもしれない。でも、そのリスクを考えるとやっぱり今の生活がいい。

「バンド力」の話

   昨年の5月にバンドに加入して、もうすぐ1年が経つ。

   初ライブは6月だった。あれから月2本ペースでのライブ、EP1枚とスプリットCDの発売、自主企画と自主スタジオライブなど思い付く限りのことを悉くやってきたこれまでを振り返ると、つくづく運のいいバンドだと思う。手探りで始めたバンドがここまでハイペースで活動できることってなかなかないはずだ。昨日もスルッと野外の音楽イベントに参加決まったし。人と環境に恵まれてる。

 

   リリースした音源を聴くと音の粗さと演奏の下手さに絶望することもあるんだけど、6曲とも何ヶ所かは「あーここ好き…」とか「このアレンジ良い…」とか優れた部分を毎回見つけることができて、撮ってよかったなと思う。何より暗いモードに入った時とかに聴き返して、自分たちが過去に作った音源が自分の救いになることがある、というのが嬉しい。

 

   他にもバンドを始めた事による嬉しい出来事はいくつもあって、そのひとつが沢山の音楽好きと知り合えたことだ。ライブハウスに日頃から出入りする人間はかなりの音楽フリークかお酒を飲んでバカ騒ぎしたいかもしくはその両方か、といった感じなので、楽しい。打ち上げではレディオヘッドでは何枚目が好きか、トレインスポッティング2は見たか、ローゼズの来日公演に行くかフジロックのラインナップは何年が最高だったかと談義が終わらない。楽しい。あとバンド関係ないけど毎週のように飲んでたら新潟古町周辺の飲み屋さんに詳しくなった。

 

 

   ここからが本題で、時々ボーカルが言う「バンド力」についての話。

   端的に言うとグルーヴ感とキメをバシッと合わせることの重要さ、といったところだと思う。けど、これは言葉で説明できない部分が多くて、今書いてみてもなんか違うなと違和感がある。

 

   バンドをやった事がある人なら経験した事があるはずなんだけれど、演奏したときにカタルシスを感じる瞬間というか、弾きながら「うわ今めちゃめちゃ気持ちいい」って鳥肌が立つ瞬間がある。演奏ががっちりと噛み合って鳴ってる全ての音がクリアに聞こえて、神が舞い降りたんじゃないかと錯覚するように不思議と弾いたこともないフレーズが浮かんで宙に浮くような気分になる。流石にこんなことは100回に1回くらいしかないんだけれど。この瞬間を常に出せるか、という話だと思う。これが毎回のライブで出せて、聴く人も同じように感じることができ、さらに音源からも感じられるようになったら本物だと思う。

    わかりやすい例で言ってしまえばナンバーガールのライブ映像がそうだ。ミッシェルガンエレファントとのライブや初期スーパーカーの演奏からも感じられる気がする。

 

   本当に上手いプロのアーティストは気軽なセッションとかでこれを毎回味わってるのかな、と想像するとそりゃバンドはやめられないよなーと思う。こういう瞬間のためにバンドをやってるんじゃないかと思う。次の段階へのジャンプアップのため、それに憧れのバンドに近づくためにも「バンド力の向上」を最大の課題にしていきたい。

 

lostage - 手紙LIVE by NiBit - ニコニコ動画

 

好きな小説のタイトル10選

・葉桜の季節に君を想うということ

・蛇行する川のほとり

・うたかたの日々

・永遠も半ばを過ぎて

・風に舞い上がるビニールシート

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

・あなたの人生の物語

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

白夜行

青が散る

 

随分と偏ってたりミーハーっぽくも見えるけどこれで良い。

「ベロニカは死ぬことにした」「夏への扉」「天の光はすべて星」あたりもかなり迷った候補。でも結局高校生くらいでタイトルに惹かれて読んだ本ばかりを選んだ。恩田陸は自分の中で特別なので別で10冊選びたいくらいなんだけれど「木漏れ日を泳ぐ魚」「きのうの世界」「三月は深き紅の淵を」あたりタイトルが素敵だけど物語としては今ひとつハマらなかった…というものを落としていき最終的にこれ。でも今読み始めた「蜜蜂と遠雷」が取って代わる可能性も高い。

雑記

・話題の新作映画が公開されるたびにTLに並ぶ感想やメタ的な評論(自分が映画クラスタをたくさんフォローしていたせいかもしれない)、そしてときどき流れてくるネタバレを見てしまわないうちに、と早めに映画館へ足を運ぶ自分

 

・真空ホロウというバンドのHPの隅に「人生は祭りだ、共に生きよう。そういう映画もある」と映画「ハッカニブンノイチ」の台詞が書かれているのが好きだ。

 

・路線バスの運転手さんがすれ違うときにサッと片手を挙げて挨拶するあの感じ

 

・喫茶店のマスターがお客のお会計を済ませてテーブルを片付けた後、自分のためにコーヒーを入れてカウンターの片隅に腰を下ろし、一息入れる瞬間の顔。

 

・気が付いたらここ5年小中の友達と全く連絡を取っておらず、完全に縁が切れてるけれど全く不自由しない。

 

・よく行く喫茶店のマスターに「教育学部」と呼ばれるようになっていた。

喫茶店の話

・家に居場所が無いので、相変わらず休日は喫茶店かサイゼリヤに入り浸っている。歩いて行ける距離にある純喫茶はとても雰囲気はいいのだけれど、近所のおばちゃん連中がたむろしてる時はやかましくて読書もままならないので車で移動して結局コメダ珈琲に流れ着く。そのお気に入りのコメダも、先日パソコンを忘れてきてしまい、警察に届けてもらうという迷惑をかけてしまったせいで少し行きづらくなってしまった。御礼を言いに行ったらまた来てくださいね〜といわれたけどなんか申し訳なくて。

 

・前にも書いた気がするが個人経営の喫茶店はマスターに顔を覚えられると話しかけられてめんどくさく、結局バイトしかいないようなチェーン店が丁度よく感じてしまうんだけど、ヤンキーがたむろしてる店もあってなんだかなあ、と考えているうちに、中間の丁度良さを見つけた。珈琲倶楽部である。

 

・珈琲倶楽部もチェーンなんだけど、フランチャイズなのか、結構オーナーの個性が出てるとことか見つけると面白い。どこも煙草吸えるし。パスタとかランチメニューがかなり充実してるとこから飲み物しかないとこまで様々だ。一番近所のところは駐車場が狭いのが難点だけど、文庫本の貸し出しをやっていて手ぶらで行っても十分時間を潰せる。普段はジャズが流れてるんだけど、たまにローリングストーンズがずっと流れてる日がある。マスターの趣味だと思う。ココアについてくる自家製ビスコッティーが美味しい。

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・職場の近くにめちゃめちゃ立地がクールな珈琲倶楽部があり、気に入っている。新幹線の高架の下にちょこんと収まっているコンパクトさ。なんか可愛いくて見かける度に笑ってしまう。すぐ近くにコメダ珈琲があるせいで潰れないか心配してる。

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・よくバンド練でスタジオを利用してる公民館の向かいの店は、ランチが充実してて、親子丼まで出してる。食べたことはないけど。

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・そういえばうちの職場にも二階に珈琲倶楽部が入ってるんだけど、職員が利用すると“県民の方”から人事課に苦情が入るらしい。ウケる。

 

・昨年の夏に行った名古屋旅行は喫茶店巡りをやろうというコンセプトを掲げて行ったので、2泊3日の間に5件はしごした。どこで食べても小倉トーストのボリュームが凄くてびびった。おやつとして食べようとしたのに昼飯に十分なデカさ。

モザイクアートミュージアムという美術館に行く途中、ふらっと見つけて入った「らんぷ」という名前の喫茶店がとても良かった。たまごサンドが絶品。東海地方にしかないらしい。新潟来てくれたら絶対に通う。

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あと、地下街にあった「コンパル」という喫茶店。名前の響きがよい。

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プラネタリウムの向かいにあったところ。

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・名古屋や高知みたいに、喫茶店文化がある街が羨ましい。今年度は県外の出張も増えそうなので、朝食なしのプランでビジネスホテルに泊まり、朝から喫茶店探索しまくりたい。

 

 

◯2017.5.9追記

   中段で挙げた立地がクールな珈琲倶楽部、最近看板をよく見たら「フランチャイズ本店」と書いてあった。マジか。というか珈琲倶楽部が新潟のローカルチェーンだということも最近知った。ちょっと恥ずかしい。

   実はあの本店は1972年の上越新幹線開通よりも遥か昔からあの場所にあり、新幹線敷設による国交省の立ち退き要求も頑固社長の一存ではね退け、その結果あの様な立地に落ち着いて今に至る、という安っぽいストーリーが頭に浮かんだが多分そんなことはない。たぶん今後も通う。