状況が裂いた部屋

音楽と映画と日常について

「バンド力」の話

   昨年の5月にバンドに加入して、もうすぐ1年が経つ。

   初ライブは6月だった。あれから月2本ペースでのライブ、EP1枚とスプリットCDの発売、自主企画と自主スタジオライブなど思い付く限りのことを悉くやってきたこれまでを振り返ると、つくづく運のいいバンドだと思う。手探りで始めたバンドがここまでハイペースで活動できることってなかなかないはずだ。昨日もスルッと野外の音楽イベントに参加決まったし。人と環境に恵まれてる。

 

   リリースした音源を聴くと音の粗さと演奏の下手さに絶望することもあるんだけど、6曲とも何ヶ所かは「あーここ好き…」とか「このアレンジ良い…」とか優れた部分を毎回見つけることができて、撮ってよかったなと思う。何より暗いモードに入った時とかに聴き返して、自分たちが過去に作った音源が自分の救いになることがある、というのが嬉しい。

 

   他にもバンドを始めた事による嬉しい出来事はいくつもあって、そのひとつが沢山の音楽好きと知り合えたことだ。ライブハウスに日頃から出入りする人間はかなりの音楽フリークかお酒を飲んでバカ騒ぎしたいかもしくはその両方か、といった感じなので、楽しい。打ち上げではレディオヘッドでは何枚目が好きか、トレインスポッティング2は見たか、ローゼズの来日公演に行くかフジロックのラインナップは何年が最高だったかと談義が終わらない。楽しい。あとバンド関係ないけど毎週のように飲んでたら新潟古町周辺の飲み屋さんに詳しくなった。

 

 

   ここからが本題で、時々ボーカルが言う「バンド力」についての話。

   端的に言うとグルーヴ感とキメをバシッと合わせることの重要さ、といったところだと思う。けど、これは言葉で説明できない部分が多くて、今書いてみてもなんか違うなと違和感がある。

 

   バンドをやった事がある人なら経験した事があるはずなんだけれど、演奏したときにカタルシスを感じる瞬間というか、弾きながら「うわ今めちゃめちゃ気持ちいい」って鳥肌が立つ瞬間がある。演奏ががっちりと噛み合って鳴ってる全ての音がクリアに聞こえて、神が舞い降りたんじゃないかと錯覚するように不思議と弾いたこともないフレーズが浮かんで宙に浮くような気分になる。流石にこんなことは100回に1回くらいしかないんだけれど。この瞬間を常に出せるか、という話だと思う。これが毎回のライブで出せて、聴く人も同じように感じることができ、さらに音源からも感じられるようになったら本物だと思う。

    わかりやすい例で言ってしまえばナンバーガールのライブ映像がそうだ。ミッシェルガンエレファントとのライブや初期スーパーカーの演奏からも感じられる気がする。

 

   本当に上手いプロのアーティストは気軽なセッションとかでこれを毎回味わってるのかな、と想像するとそりゃバンドはやめられないよなーと思う。こういう瞬間のためにバンドをやってるんじゃないかと思う。次の段階へのジャンプアップのため、それに憧れのバンドに近づくためにも「バンド力の向上」を最大の課題なのかなと思う。


LOSTAGE -手紙-