状況が裂いた部屋

旅行と読書と生活

文学フリマ東京37を振り返る

f:id:ngcmw93:20231116071502j:image楽しかった。今年も参加できてよかった。

まず、新作を出せたのがよかった。秋の文フリに申し込んではいたもののモチベーションが上がらず、既存の本を売るしかないか…と思っていた。しかし9月半ばに書き始めたところ1ヶ月で完成した。締め切りがないと何一つ頑張れない人間なのでゴールを決めておくことは大事だ。出展3日前に納品された。

f:id:ngcmw93:20231116124953j:image最低でも10部売りたいな、と思っていたけれど会場では9部しか売れなかった。しかし打ち上げで友人が2冊買ってくれたので11冊に。ありがたい。新作のエッセイはあまり売れず、旅行記が少し売れた。旅行記ブースで出展した影響もあると思う。来年以降は別ゾーンで出ることも検討したい。しかし周辺の旅行好きの方と喋るのは楽しいし居心地がいいので悩みどころだ。今回も新たに知り合う人がいて参加した意味はあったと思う。

反省点は宣伝不足とブース看板を作っていかなかった点。鞄に入っていたチラシの裏側に即席で位置名を書いたが無いよりマシな程度。もっとブース全体を工夫したい。机の上に立体的な棚を作ったり、宣伝用のボードを置くことが効果的だとわかった。目立つし、何より立ち読みがしやすい。来場者の目線に立つと、筆者と1mもない距離で向き合いながらその目の前で作品を読むのは結構やりづらいと思う。圧を感じる。ブースに立ち寄る人は作者に向き合うのではなく本に向き合いたいはず。次回は宣伝ボードの裏とかにひっそりと座っていることにする。

 

f:id:ngcmw93:20231116073215j:image新作のエッセイ本について。

30歳の節目を迎えるにあたって、頭の中を整理する目的で書いた。まずはiPhoneのメモ帳へ思いつくままにテーマを書き出し、そこから30個くらいを選んで毎日少しずつ書いていった。仕事帰り、蔦屋のタリーズや船乗り場の待合室などで30分ずつ、本当に少しずつ書いたが気づけば50ページ分になっていた。このブログにも書かない自分の思想についてばかり書いた。考えていることを文字に起こし、手触りのある本にすることで客観視できる。それがよかったと思う。

サイズを文庫版にしたのは良かったがフォントはヒラギノ明朝にするべきだった。反省。あと表紙は伊藤計劃の『ハーモニー』みたいに白地にタイトルのみにした。割と気に入っているのだけれど、シンプルすぎてあまり手に取ってもらえなかったようだ。そこは仕方ない。出展ブースの装飾をもう少し工夫するなどして人を呼び込むとして、本のデザインはこだわりを通すべきだ。

 

1万人を超える参加者が来場したらしく、会場はやや混雑していた。ブース数もかなり増えて全部見て回ることは不可能だった。規模が大きくなるのは一長一短がある。ちょっと忙しなさすぎるので、来年12月の東京ビックサイト会場に出た後は地方開催での参加に切り替えることも検討したい。しかし新潟周辺では開催がなく、遠征しなけばならない。前橋会場が終わってしまったようだ。文フリついでに旅行するのもいいかもしれない。

あと、今回初めて見本誌コーナーへ本を置いた。そこで見つけて購入した人がいるかは不明だが、会期終了後は日大に寄贈されるらしいので、試しに献本した。おそらく読まれることはないんだけれど、自分の文章が知らない場所に置かれているのはちょっとだけワクワクする。